2013年12月9日月曜日

023. 蟲愛づる本

件の昆虫本がやりきれないことになっているので、
私の好きな可愛い昆虫マンガを紹介しておきますね。

秋山亜由子『こんちゅう稼業』

不思議で可愛い民話のような虫話が15編。
昆虫世界と人間世界が時に交錯し、異層の扉が開くような。

これねー。作者は本当に虫が好きなんだと思うわ。
昆虫の生態にやたら詳しいし、それを下敷きにして物語が編まれている。
愛です。これが虫への愛です。爪の垢もらうべき。

秋山亜由子『虫けら様』

同じ著者で『虫けら様』。こちらの方が「虫の生態」により詳しい仕上げになっております。
ハチの女王候補が妹たちをブチ殺すことや、アリヅカムシがアリん家に居候することや
旅するオオカバマダラや、忠実なるハエトリグモの可愛さよ。
そしてやがてちょっぴり切ないのだ。
扉絵も一枚一枚凝っておりまして、虫切手や伊藤若冲の模写も。

ただ!
残念ながらコレ絶版なんです。もったいない!電書化を!

模写ってこういう

驚きの本能があって、びっくるするような擬態して、ワイルドで、残酷で、
でも脊椎動物世界よりずっと不思議で変な昆虫の世界。
あいつら宇宙から直接飛んできてるぜ。なんなんでしょう、虫。
蜘蛛は昆虫じゃないとか言うし。むしろカニのが近いって、なんなの。

本物触るのは嫌だけど、昆虫食もしないけど、
子供の頃は昆虫図鑑の表紙のオニヤンマの複眼が怖くて触れなかったけど、
ナショジオチャンネル見るような気持ちでなら愛でられます。愛!中途半端な愛!

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